top of page
IIP2024

マイクロ・ナノ工学/情報・知能・精密機器部門分野連携企画

MEMSデバイスの最新研究と応用技術講演会 第2回

「エナジーハーベスタとそのIoT応用技術」

2

合同会社かちクリエイト 代表 勝村英則氏
「普及拡大を目的としたエネルギーハーベスティング電源CPSプラットフォーム構想」
IoTモジュールの電源技術としてエネルギーハーベスティング技術が注目されるようになって10数年以上が経つが、一部事例を除いて広く普及・拡大するには至っていない。一方でハーベスタ、電源制御ICの性能向上や、IoTモジュールの低消費電力化など個々の要素技術は着実に進化している。にもかかわらず普及が進まない理由の一つとして、エネルギーハーベスティング電源を簡単に適用できるCPSプラットフォームがなく、エネルギーハーベスティング技術の有用性を簡単にアピール、実証できないことがあげられる。現在企画中のエネルギーハーベスティング電源CPSプラットフォーム構想を提案するとともに、新たなハーベスタ開発への期待について述べる。

関西大学 教授 谷弘詞先生

「摩擦発電とそのIoT応用」
IoT社会の進展に伴い、センサ類の電源として環境発電の必要性が高まっている。環境発電は、光、熱、振動などをエネルギーに変換するが、その中でも振動発電は圧電素子や磁歪素子、エレクトレットなどを用いて検討が行われている。我々は摩擦発電を用いた振動発電の実用化を目指していろいろな取り組みを行っている。そこで、摩擦発電の原理、実際の応用例をレビューして、その可能性について述べる。具体的には、インテリジェントタイヤへの応用、摩擦発電マット、摩擦発電シューズ転がり軸受組み込みセンサなどの具体例を示す。

東北大学 教授 小野崇人先生

「温度揺らぎ発電・IoTセンサとその応用展開」
高性能の熱電発電素子を電解めっきで集積する手法、かつ環境の温度揺らぎや温度変化から発電できる熱電システムを開発し、その応用展開を進めている。この温度揺らぎ発電は熱電素子に蓄熱材を組み合わせた熱マネージメントにより温度揺らぎを温度差に変換し、高性能の熱電素子にて発電することを可能にしている。これにより、1次電池を利用することなく、IoT無線センサを動作させることを可能にした。プロトタイプのコールドチェーンなどへの応用展開について紹介する。

神戸大学 准教授 本間浩章先生

「カリウムイオンエレクトレットによる振動発電ハーベスタ」
微弱(< 1 G=9.8 m/s  )、低周波数(< 200 Hz)の環境振動は普遍的に存在しており、これらのエネルギーをMEMS技術により電力に変換することで、センサや無線モジュールを搭載したIoT無線センサ端末への電力供給が可能になる。我々の研究グループでは、長期間の帯電保持性能と微細構造側面への成膜が可能なカリウムイオンエレクトレットを持つMEMSエナジーハーベスタを開発し、1 G以下の振動から出力電力1.2 mWを達成した。また、従来の振動発電の課題である周波数に対する過敏さを解決する周波数トラッキング機能や、様々な周波数帯域の振動から発電する非共振型エナジーハーベスタを実現し、設置場所を選ばないIoT無線センサ端末の実現可能性を示した。

bottom of page